【2023年度版】経営に使える助成金紹介!キャリアアップ助成金/人材開発支援助成金

前回の記事では、助成金とは何かについて解説しました。今回の記事では、実際にどのような助成金があるのかについて簡単に、わかりやすさ重視で解説します。

詳細に解説したい気持ちは山々なのですが、まず助成金の種類がやたらと多い!そして支給要件等詳細もやたらと細かい!ので、書けば書くほどみなさんが読みたくないコラムになってしまうのです… 。よって今回からは、様々な役立つ助成金があることを知っていただくことを目的として、経営で本当に使える助成金をご紹介します!

助成金と補助金の違いは?

前回のおさらいも兼ねて、誤解の多いこちらについても触れておきます。
助成金とは、
・支給要件を確認し、自ら申請しないともらえない
・例外として社労士のみ申請の代行が可能(社労士独占業務)
・支給要件を満たしていて申請内容に誤りがなければ必ずもらえる
であると説明しました。

これに対して補助金は、
・支給要件を確認し、自ら申請しないともらえない
・特定の士業の独占業務ではないため自由に依頼が可能(ただし提出やその後の対応は自らしなければならないものもあり)
・支給要件を満たしていて申請内容に誤りがなければ必ずもらえるわけではない
・審査があり、評価の高い順から採択される形式のため不合格も多い(主要な補助金での採択率は4~7割程度)

筆者は補助金の専門家ではないため詳細は割愛しますが、敷居が低い「IT導入補助金」、間口の広い「小規模事業者持続化補助金」、補助額の大きい「ものづくり補助金」など、場合によっては使えるものがあるため情報を収集しておいて損はないでしょう。

使える助成金をご紹介!

まず前提として

前提1
紹介する!と言いながらの前置きで申し訳ありませんが、助成金申請で必ず必要な条件があります。

1.雇用保険加入適用事業所であること
2.就業規則(それぞれの助成金で求められる規程が記されているもの)を届け出ること

1.は分かりやすいので通常は問題ありませんが、2.は注意する必要があります。とはいえ、すでにベースとなる就業規則があるのならば軽微な変更で済む助成金がほとんどです。
まだ就業規則のない事業所についても、申請を機に作成するのをおすすめいたします。
作成とメンテナンスに係る費用は助成金支給額でペイできますし、風紀の維持や、もしものときのリスクヘッジにも役立ちます。

前提2
中小企業やクリニック向けの記事のため、支給額はすべて「中小企業事業主」のもので記載しています。また、本記事は2023年12月に作成したものですが支給額や支給条件は年度ごとに大きく変わる場合がありますので、必ず最新の情報に基づいてご検討ください。

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キャリアアップ助成金

言わずと知れた助成金。今は6つのコースに分かれています。特に使いやすそうな2つのコースを紹介させていただきます。

正社員化コース
・障害者正社員化コース
・賃金規定等改定コース
・賃金規定等共通化コース
賞与・退職金制度導入コース
・短時間労働者労働時間延長コース

正社員化コース
就業規則等で定めた制度にもとづき、有期雇用労働者等を正社員化した場合に助成。
有期雇用労働者・・・1人あたり計57万円 80万円(23.11以降拡充されました)
無期雇用労働者・・・1人あたり28万5,000円
さらに、いくつかの加算要件あり。
派遣労働者を自社で正社員化すれば28万5,000円の加算。シングルマザー/ファザーであれば95,000円の加算、等。

賞与・退職金制度導入コース
すべての有期雇用労働者等に関して新たに賞与・退職金制度を設けて実施した場合に助成。
パートスタッフへの退職金制度導入はあまり一般的ではないと思うので、賞与制度導入についてのみご紹介します。
有期雇用労働者等への賞与制度を新たに導入・・・1事業所あたり40万円
こちらにはもうひとつ条件があり、「6か月分相当として50,000円以上支給」する必要があります。
規則として定める以上、簡単には支給をストップできなくなるというデメリットがありますので注意が必要ですが、すでにこれに近い額を寸志としてパートスタッフに渡していた事業所などはすんなり導入できると思いますので、ぜひご検討ください。

人材開発支援助成金

事業主が、雇用する労働者に対して、職務に関連したOJTやOFF-JTを行った場合に支給される助成金。
7つのコースがあるのですが、その7つの中でさらに訓練内容により細分化されています。
要するに煩雑で分かりにくい、とっつきにくい。条件が絡み合っており、とても紹介しきれません。

ただ、中でも比較的使えそうなのが「人材育成支援コース」と「人への投資促進コース」になります。
以下箇条書きにしますので、条件2つとも当てはまるようならば検討されるのが良いと思います。

条件1
・スタッフに対しOJTやOFF-JTを実施し、業務に関連するスキルを高めたい
・パートスタッフに対し、正規雇用労働者に転換するための訓練をしたい

条件2
・そのためなら勤務時間内に研修を受けさせたり、特別休暇や短時間勤務制度を設けても良い(育休中職員のみ例外あり)

上記にあてはまり、その他の細かな条件もクリアすれば経費助成率が45~100%、賃金も1時間当たり最大760~960円の助成になります。賃金助成のないメニューもありますが、それでも最低45%は支給されるので、助成内容は大変手厚いです。条件に当てはまるようであれば検討する価値があります。

まとめ

今回は実際に使えそうな助成金を2つ、計4コース紹介させていただきましたがいかがだったでしょうか。

本記事が少しでもお役立ちいただけたのなら幸いです。

クレイド法務事務所
前田 健

【2023年度版】経営に使える助成金紹介!キャリアアップ助成金/人材開発支援助成金” に対して2件のコメントがあります。

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