就業規則作成はどこに頼めばいい?注意するポイントを解説

前回の記事で就業規則作成の必要性についてご説明しましたので、今回は作成を決めた後に注意するポイントの解説になります。前回記事を未読の方はぜひこちらもご覧ください。

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それでは、順次解説していきます。

作成費用が事務所ごとに違う理由

就業規則作成についてネットで調べていると、提示金額の差がずいぶんあることに気づくかと思います。
高いと50万円を超えるものもあるし、安いと3万円しない、なんてものもあります。
まず、この50万円を超えるとぼったくりで、3万円が使い物にならない安物かというと必ずしもそうではありません。この金額の差は、主に作業工程の差から生まれます。

就業規則を作るにあたっての工程は金額に関わらずどこも以下のような形です。
①ヒアリング(面談、ヒアリングシート等でのやりとりにより希望内容の吸い上げ)
②ヒアリングを基に規則案の作成
③必要があれば案の修正を行う(②~③を繰り返す)
④完成、納品

ではどこで差があるのかというと、安価な就業規則作成プランは以下のような特徴があります。
・早ければ数日で完成
・ヒアリングから納品までオンラインで完結
・業界業種問わず単一、もしくは限られた種類のテンプレートを使用
・単一的なので、変形労働時間制等の単純でない制度を設ける場合は別途料金が必要
・内容は法律の最低基準を満たす最小限度の構成で、記載内容もシンプル

スタッフが10人を超えたので仕方なくであったり、助成金を申請するためにとりあえず作りたいなら、テンプレートから作られた法律の最低基準を満たす就業規則でも目的は果たせます。

反対に、最もしっかりしたものとなるとこうなります。
・院長先生の意見をふまえたオーダーメイドの就業規則
・時間をかけたヒアリングと分析の上で、業界の労働紛争や労働事情を熟知した専門家が自ら作成
・賃金制度の設計についてもシミュレーションを基にコンサルティング
・必要があればスタッフへの説明や研修も行う

いかにも高くなりそうではありませんか?

作成依頼のポイント

まず作成目的をはっきりさせることが大事

就業規則とは、他の物で例えるなら家の鍵であったり情報セキュリティ対策のようなものです。
基本的には手間とお金をかけるほど安全で強固になりますが、その分規則による縛りが増えて柔軟な運用ができなくなります。
何のために作る就業規則なのかを考えた上で、しかるべきところに依頼しましょう。

信頼できる相手かはしっかり調べる

就業規則を作るだけなら社労士(弁護士)なら誰でもできます。例えば、依頼してできあがった規則が貴院の利益よりも作成の速さを重視したものだとしてもなかなか見抜くのは難しいでしょう。だからこそ信頼関係が重要になってきます。初めて依頼する場合は、ホームページや事前相談などから実績や人柄を見極めましょう。

作成して終わりではない

就業規則作成においても信頼関係が重要なもう一つの理由がこちらです。就業規則は作成後もメンテナンスが必要で、法改正や院内の労働環境の変化などにより内容の変更が必要になってきます。このため長いつきあいになるので、しっかりした就業規則を作ろうと思うほど人間的な相性も重要になります。最初の作成だけでなく、変更について具体的に言及しているかも調べてみてください。

具体的な依頼先3パターン

作成目的をはっきりさせた後は大きく3つの選択肢に分かれるかと思います。

1.安価プラン

最低限の就業規則で良いと考える場合は数万円程度のこちらを検討しても良いでしょう。単一的だからこそ規則の内容もシンプルで解釈の余地も広く残してあるでしょうから、良くも悪くも融通が利きます。

2.高級プラン

自院の要望を踏まえた上でじっくりと作ってもらい、しっかりとした基盤を整えたいなら50万円程度もしくはそれ以上のこちらを検討しても良いでしょう。大手事務所であったり、就業規則作成専門で実績のある社労士だとその分安心感もあります。

3.バランスプラン

就業規則作成費用としては相場とされる15~30万円程度の価格帯で、提供事務所が一番多いのがこちらです(弊所もここに含まれます)。
サービス内容も安価プランと高級プランの中間のプランで、院長先生の意見も汲んだ規則を作ってくれるでしょう。すでに付き合いのある社労士に作ってもらうと、信頼関係が土台としてありますし、作成時の提案内容や作成後の変更案の解像度も高くなるのでおすすめします。

まとめ

以上、説明させていただきましたがいかがだったでしょうか。
義務感で作るただの文字の羅列にも、貴院の成長と発展を支える経営の土台であり指針にもなりえるのが就業規則です。
筆者としては作成の目的が違うだけで、これらに善し悪しはないと思っています。
ただ、作成するからには用途に合った後悔のない選択をしていただきたく、本稿を作成いたしました。数ある社労士の中から一人を選ぶことの一助となりましたら幸いです。

弊所の就業規則作成に対するスタンス

以下、弊所宣伝になります!特に興味のないかたは、悲しいですが読み飛ばしてください。
弊所の就業規則作成については以下のような特徴を備えています。
・クリニック専門社労士としての、院内トラブルを念頭に入れたきめ細かな規則作成が可能
・作成後の変更については随時行いたいので、最低価格を極力抑え実費ベースでいただくこととしています(数字等の軽微な変更では最低価格付近になります)。
・顧問先と、ご希望いただいた方については規則を弊所でも管理させていただき、変更の必要が出ましたらその都度変更の重要度とともに提案をさせていただきます。

院長先生へのヒアリングを基に積極的な提案をし、貴院の利益を考え誠実丁寧に作る。この点において弊所は自信があります。ただ、就業規則作成だけを専門としているわけではないので、より特化した事務所には独自の強みがあるのも確かです。弊所は就業規則関連サービスををオプション料金としているため、顧問契約は弊所、就業規則は他所としていただいてもお客様が損をすることはありませんので、作成目的を念頭にぜひ比較検討お願いします!