クリニック開業までのスケジュール【スタッフ確保】

開業を準備中/検討中の先生方はクリニック開業にあたり、様々な専門家やメディアから情報を集めておられることと思います。本稿ではスタッフ確保のためのスケジュールをざっとおさらいします。ぜひ、情報の整理や抜けの防止などのためにご一読ください。

【開業5月前まで】採用職種と人数の選定

事業計画を策定し、物件選定・内装工事へと入る段階で採用したい職種や人数については想定されているはずですが、募集開始の準備としてそれぞれの勤務条件(仕事内容や賃金)を決定しておきましょう。

特に賃金については、応募を集めるために近隣の医療機関の情報(特に募集中のもの)を調べて引けを取らないよう設定することが重要です。

また、開業と同時に就業規則を適用したい場合はこの頃から作り始めると上記勤務条件の設定と同時に進行することができてスムーズです。

【開業4月前頃】スタッフの募集開始

採用する職種に合わせ、原稿を作成して適切な求人媒体に掲載していきます。
ハローワーク、ジョブメドレー、エンゲージ、etc...
自院ホームページにも詳細を掲載し上記媒体から誘導するのも有効です(SEO対策にもなります)

募集人数が増えるとそれだけ書類選考通過者の試験日程調整も大変になってくるので、募集要項掲載前に試験日を決め掲載しておくとスムーズです。先生も応募者もシフト調整がスムーズで、実際の選考も1日か2日間で全員を見れるので公平な判断ができます。

なお、人材紹介会社を利用する手もありますが、紹介料が高額なので応募者が集まりスケジュールにも余裕があるうちは積極的に使わなくて良いと思われます。

【開業3月~2月前】書類選考と採用試験

書類選考を実施して、合格者には連絡して試験会場に来てもらいます。
試験で絞ることも考えると募集人数の倍は書類選考を通過させておきたいところです。

おそらくこの時期にはまだクリニックの内装も完成していないので他会場を借りるとよいでしょう。原則として採用試験は1度きりなので、その1回でしっかりと判断する必要があります。

試験内容は面接は必ず行いますが筆記試験(SPI3、CAB等)も同時に行うのがおすすめです。
特に事務系職種で経験の浅いスタッフの場合は覚えることが多いため、筆記試験の結果が良ければ早い仕事の習得が期待できます。

面接では、応募者に何を聞きたいのか、誰がどのようなことを聞くかをあらかじめ定め、面接官で共有しておきましょう。

【開業2月前頃】採用決定通知

試験が終わったら慎重に採用者を決定し、決定後は速やかに採用決定の連絡をします。
採用は慎重に決定すべきなのですが、優秀な人ほど併願先からも欲しがられるためあまり遅らせるのもいけません。
多くの受験者と接した筆者の体感ですが、採用の連絡が試験当日または翌日なら問題ないですがそれ以降は徐々に受験者側の不安が高まります。
1週間近くも経てば試験に落ちたと思って併願先への就職を決めてしまっていても何らおかしくはありません。

勤務開始日(研修開始日)ついて口頭で合意が取れたら、日にちをあまり置くことなく採用通知や内定承諾書など採用に必要な書類を送りましょう。

【開業1月前~スタッフ研修】

クリニックの開業が近づいたらスタッフ研修を行いましょう。
研修を充実させることで開業日以降の運営がスムーズになり患者さんからの評判につながるのはもちろんですが、それに加えてスタッフ側の不安がなくなりコミュニケーションが円滑になることで早期離職も防げるでしょう。

まとめ

オープニングスタッフ確保のためのスケジュールを確認しましたがいかがでしょうか?
人に関わることなので想定外のことも起きやすく、それらにうまく対応するためにはこまめな連絡と余裕を持ったスケジューリングが必要不可欠です。
とはいえ、開業前の先生は他にも考えることが山積みかと思いますので、弊所のような医療業界と採用サポートに強い社労士にお任せいただくのも良いかと思います、と自身のアピールをさらっとしつつ締めとさせていただきます。